エンジニア向け転職エージェント7選を機能比較
求人数・年収・特化度を客観評価する
エンジニアの転職市場では、求人を扱うエージェントが 「総合型/IT特化型/スカウト型」 の3レイヤーに分かれている。本記事では2026年5月時点で公開されているデータをもとに7社を選定し、求人数・年収レンジ・サポート体制を比較する。一人称の体験談ではなく、各社の公開情報と複数の調査記事から得た数値をベースに構成した。
// TL;DR
- 大手総合型1社 + IT特化型1社 + スカウト型1社 の3併用が、求人網羅性と専門性を両立する現実解。
- 専門特化型(レバテックキャリア・ギークリー・テックゴー)は技術スタック単位での求人検索とエンジニア理解のあるCAが強み。
- 30代以降はビズリーチ等のスカウト型で市場価値を測りながら、年収600万円以上のレンジへシフトしていくのが効率的。
- 未経験・第二新卒はマイナビITエージェントのような若手特化系を起点にする。
なぜIT特化型を必ず1社入れるべきか
大手総合型エージェント(リクルートエージェント・doda・マイナビエージェント等)は求人母数が圧倒的だが、キャリアアドバイザーが必ずしも技術スタックを理解しているとは限らない。「Reactを書いていますが」と伝えたとき、フロントエンドフレームワーク以上の解像度で会話できるかは担当者ガチャになる。
これに対しIT特化型は、求人票の段階でフレームワーク・言語・開発フェーズ・チーム規模・CI/CD環境などが書き込まれており、面談時のすり合わせコストが低い。レバテックキャリアの公開情報では 「年間7,000回以上の企業訪問」 という現場理解の数値を打ち出しており、ここが総合型との明確な差別化ポイントになっている。
数字だけ見れば総合型に分があるが、「自分の経験スタックにマッチする求人だけを抽出する効率」と「面談での技術コミュニケーションコスト」の2軸で見ると、特化型の優位は崩れない。
選定基準(5項目の評価軸)
本記事では以下の5項目で各社を見ている。「ランキング」ではなく「軸別の比較」とした。
- IT求人数の絶対量 — 公開・非公開を合わせた母集団のサイズ
- CAの技術理解度 — エンジニア出身者の比率、企業訪問頻度、求人票の技術記載粒度
- スカウト機能の有無 — 求職側からプッシュしない受動的な機会創出ルート
- 想定年収レンジ — 紹介求人の年収帯と過去実績の上振れ幅
- 対応エリア — 関東一都三県限定か、地方求人があるか、フルリモート求人の比率
主要7社の比較表
2026年5月時点で各社が公開している求人数・対応エリア・年収レンジを表にまとめた。求人数は公開数のみで、非公開求人は含めていない。
| エージェント | タイプ | IT公開求人 | 年収ボリュームゾーン | 対応エリア |
|---|---|---|---|---|
|
レバテックキャリア
IT特化
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正社員特化 | 約46,660件 | 500〜900万円 年収700万円以上 約36,000件 |
関東・関西・九州 |
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ギークリー(Geekly)
IT特化
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提案数重視 | 約37,000件 | 400〜800万円 | 一都三県中心 |
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マイナビITエージェント
IT特化
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若手向け | 約27,906件 | 350〜800万円 年収UP率 73.7% |
全国 |
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リクルートエージェント
総合型
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業界最大母数 | 168,700件以上 非公開 約44,800件 |
幅広い | 全国 |
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doda エンジニアIT
総合型
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スカウト併用可 | 大規模 | 400〜900万円 | 全国 |
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ビズリーチ
スカウト型
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ハイクラス | 非公開(スカウト中心) | 600〜1,500万円 平均年収UP 約130万円 |
全国 |
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テックゴー
IT特化
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現役エンジニア特化 | 非公開 | 500〜1,000万円 平均年収UP 138万円 |
全国 |
// 表の読み方
求人数の大小と「自分にマッチする求人数」は別物。母集団が10倍でも、自分のスタックに合う求人が同比率で増えるとは限らない。公開数は参考値として捉え、実際は登録後に紹介された求人の質で判断するのが現実的。
各社の強み・弱み詳細
ここからは表だけでは見えにくい、各社の運用上の差異を整理する。
レバテックキャリア
エンジニア・クリエイター特化で15年以上の実績がある老舗。年収700万円以上の求人が約36,000件と、ミドル〜ハイレンジに強い。公開情報では「3人に2人が年収70万円アップ」を打ち出している。
- 技術スタック単位の求人検索が可能
- CAがエンジニア出身比率高め
- 年収700万円以上のレンジで提案数が多い
- 未経験向け求人は少ない
- 地方求人(関東・関西・九州以外)は限定的
ギークリー(Geekly)
IT・Web・ゲーム業界特化型。マッチング精度の高さと提案スピードが評価されている。求人数は公開ベースで37,000件以上。一都三県中心のため、関東圏で働きたい人向け。
- ゲーム業界の求人が他社より多い
- 提案スピードが早い(初回面談後の即日紹介あり)
- 20代後半〜30代のWebエンジニアに最適化
- 地方在住者は使いにくい
- 提案数の多さがノイズになることもある
マイナビITエージェント
マイナビグループのIT特化型。公開求人 約27,906件、転職後の定着率97.5%、年収アップ率73.7% という公開数字を打ち出している。20代〜30代前半・第二新卒に強い。
- 第二新卒・若手エンジニアの選考通過率が高い
- 大手・中堅企業の求人が多い
- 全国対応で地方からの利用もしやすい
- ハイクラス(年収800万円以上)求人は他社に劣る
- 技術深掘りはレバテックほどではない
リクルートエージェント
業界最大手の総合型。SE・ITエンジニア職の公開求人 約168,700件、非公開 約44,800件と母集団が他社の3〜4倍規模。技術スタックの専門性よりも、選択肢の網羅性で価値が出る。
- 地方求人を含めた網羅性で他社を圧倒
- 非公開求人の母数も大きい
- 異業界からのIT転職にも対応
- CAの技術理解度は担当による差が大きい
- 提案数が多くノイズも含まれる
ビズリーチ
ハイクラス向けスカウト型。年収600万円以上、ヘッドハンター経由の非公開求人が中心。プロジェクトマネージャー、テックリード、CTOクラスの案件が豊富で、平均年収アップ約130万円という公開数字がある。
- ハイクラス求人の母数が他社を圧倒
- 自分の市場価値を測れる(スカウト数で判定)
- CTO・テックリード等のリーダー求人が豊富
- 有料プラン(プレミアム)のほうが機能が広い
- 経験3年未満には機能しにくい
テックゴー
現役ITエンジニア特化の比較的新しいエージェント。平均年収138万円アップという公開数字が業界最高水準。独占の1day選考会など、現役エンジニアにフォーカスしたイベントが特徴。
- 年収アップ実績の数値が他社より高い
- 独占選考会で1日で複数社と面談可能
- CAは現役エンジニアまたは元エンジニア中心
- 知名度はまだ大手より低い
- 未経験は対象外
経験年数別の最適解
同じ「エンジニア」でも、経験年数によって有効なエージェントは大きく変わる。一般的な転職市場のデータでは 経験1〜4年で平均年収500万円台後半、15年以上で平均900万円超 という幅があり、年代ごとに使うエージェントは別物と考えたほうがいい。
└─ あなたの状態 ├─ 未経験/第二新卒(0〜2年) │ ├─ マイナビITエージェント(若手特化/定着率高) │ └─ リクルートエージェント(母数で網羅) │ ├─ ジュニア〜ミドル(3〜7年) │ ├─ レバテックキャリア(技術深掘り+年収UP) │ ├─ ギークリー(Web/ゲーム業界の比較検討) │ └─ リクルートエージェント(母数として併用) │ ├─ シニア(8年以上) │ ├─ ビズリーチ(市場価値の継続観測) │ ├─ レバテックキャリア(高年収帯の母数) │ └─ テックゴー(短期年収アップ) │ └─ テックリード/マネジメント志向 ├─ ビズリーチ(CTO・VPoE求人) └─ ヘッドハンター系(個別オファー)
「複数登録は面倒」と感じる場合、最低限は 特化型1社 + 総合型1社 の2社運用がボトムライン。スカウト型は「面談ベースで動かなくて済む」ので、3社目として併用しても工数は大きく増えない。
年収交渉に使える数値根拠
エンジニアの年収交渉では、「市場相場」を数字で示せるかが結果を分ける。以下は2026年時点で出回っている主要なベンチマーク数値。
交渉時に意識すべき点は3つ。
- 「現職年収+市場相場差分」を最低ラインに置く — 現職が市場相場より低ければ、相場差分を提示できる。
- 同職種の他社オファーを並べる — エージェント経由で複数オファーを並走させる。CA経由のほうが交渉摩擦が少ない。
- 役職/スコープで提示する — 「テックリード相当を求めるなら×××万円」という形で、ロール起点で交渉する。
利用時の技術面接対策
エンジニア転職で年収レンジを引き上げるには、技術面接の通過率が最大の変数になる。CAは選考対策をしてくれるが、内容はあくまで一般論。実技対策は自分でやる必要がある。
コーディング試験の準備
外資系・ハイクラス求人ではLeetCode形式・システム設計面接が一般的。スカウト段階で「コーディング試験あり」と明記された求人を受ける場合、Easy〜Medium レベルを最低50問程度こなしておくと、面接時のコミュニケーションコストが下がる。
システム設計面接の準備
シニア以上の選考では、システム設計面接(System Design Interview)がほぼ必須。スケーラビリティ・データベース選定・キャッシュ戦略を口頭で議論できる準備が必要。
過去プロジェクトの言語化
「STARフレームワーク(Situation / Task / Action / Result)」で、過去プロジェクトを数値付きで語れるよう整理しておく。「レスポンスタイムをp99で230ms→80msに改善」のような具体性が、年収レンジを上げる根拠になる。
よくある質問
転職エージェントは何社まで登録すべき?
最低2社、上限は4〜5社。それ以上は連絡の管理コストが回らない。「特化型1 + 総合型1 + スカウト型1」の3社が目安。
未経験からITエンジニアになる場合は?
マイナビITエージェントなど若手特化系を使う。実務経験ゼロからの場合、エージェントよりも先にスクール経由でポートフォリオを作るほうが優先度は高い。
フリーランス案件と正社員求人、両方扱うエージェントは?
レバテックは正社員(レバテックキャリア)とフリーランス(レバテックフリーランス)でサービスが分かれている。両方視野に入れるなら、別ブランドで登録するのが現実的。
地方在住でもIT特化エージェントを使える?
レバテックは関東・関西・九州、ギークリーは一都三県中心。地方在住の場合は、リクルートエージェント・doda等の総合型と、フルリモート求人を扱う特化系を併用する。マイナビITは全国対応で地方からも利用しやすい。
転職せずに年収を測りたい場合は?
ビズリーチ等のスカウト型に登録し、スカウト数と提示年収レンジを観測する。実際に転職活動をしなくても、市場価値の継続観測ができる。
// SUMMARY
エンジニア向け転職エージェントは「総合型/IT特化型/スカウト型」の3レイヤー併用が現実解。求人数の絶対量は総合型(リクルートエージェント)が圧倒するが、技術スタック単位の求人検索と面談時の技術コミュニケーションコストを考えるとIT特化型を必ず1社入れるべき。経験年数によって最適な組み合わせは変わるため、自分のフェーズに合わせて2〜3社を併用するのが、求人網羅性と専門性を両立する最短ルートとなる。