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ハイクラスのエンジニア転職エージェントは「求人の年収下限」で選ぶ|TechGo・JAC・ビズリーチなど6社を年収帯・得意職種・厚労省の紹介実績で比較【2026年10月版】

・ エージェント比較
ハイクラス転職エージェントは求人の年収下限で比べて選ぶ、というタイトルと、年収700万円のラインを超える求人レンジを示すグラフ

「ハイクラス エンジニア 転職エージェント」で検索すると、20社前後を並べたランキング記事がたくさん出てくる。ただ、多くの記事は「ハイクラス=年収800万円以上」と定義したうえで、各社が公表している求人数や年収アップ率を並べているだけだ。

年収700万円以上を狙うエンジニアが本当に知りたいのは、自分の職種で、年収の下限が700万円を超える求人がどれだけあるかだろう。もう一つは、そのエージェントが実際に何人を転職させ、何人が半年以内に辞めているかだ。この記事では2026年10月14日に各社の公開求人を集計し、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」に載っている法定開示の数値と合わせて比べた。

この記事の結論
  1. 求人の年収フィルタは、サービスによって「下限」で絞るものと「上限」でヒットするものがある。JACの「1,000万円以上」は上限が1,000万円以上の求人も含むため、IT(PM・SE)求人の67%が該当する。下限で数え直すと10.0%だった。
  2. 下限700万円以上の求人の割合は、JAC 45.7%(抽出1,095件)、TechGo 25.9%、type 13.1%。年収帯の「厚み」はJACが最も大きい。一方、JACの公開求人はPM・SE職が中心で、Web・アプリ系は少ない。
  3. 厚労省の開示(会社全体の値)では、令和6年度に就職した人のうち6か月以内に辞めた人の割合はレバテック2.0%、MyVision(TechGo)2.5%、JAC 3.8%。ソフトウェア開発職の手数料実績率はレバテック55.0%、MyVision 52.7%と、他社(32〜39%)より高い。
  4. ビズリーチやdoda Xなどのスカウト型では、転職の成否は個々のヘッドハンター次第になる。ビズリーチ自社の紹介センター経由の就職者は令和7年度で190人だった。
  5. 使い方は「エージェント1〜2社+スカウト型1つ」が基本。どこを選ぶかは、いまの年収と職種で変える。

「ハイクラス」の線引きはサービスごとに違う

まず前提として、「ハイクラス」に統一された定義はない。各社の公式表記を並べると次のようになる。

サービス公式に示している年収の目安タイプ
ビズリーチ年収1,000万円以上の求人が5割以上(2026年1月末時点)スカウト型(ヘッドハンター・企業)
doda X「年収600万〜2,000万円台の求人多数」ヘッドハンター型+企業スカウト+エージェント
TechGo年収の検索軸は500万〜1,000万円以上の5段階IT特化型エージェント
JACリクルートメント年収の検索軸は500万〜2,000万円以上ハイクラス型エージェント(両面型)
type転職エージェントハイキャリア向けを別ブランドで運営総合型エージェント(首都圏・関西)

比較メディアの多くは「年収800万円以上」をハイクラスとしている。ただ、現年収が500〜600万円台のエンジニアにとって、現実的な次の目標は700万円台であることが多い。そこでこの記事では、700万円・800万円・1,000万円の3本の線で求人を数えた。

年収700万円は制度上の線でもある

職業安定法では、科学技術者などの職種で年収700万円以上の仕事に就いた場合に限り、求職者からも手数料を取れる例外がある。実際に請求する大手はほとんどないが、契約書の確認ポイントになる。詳しくは転職エージェントの費用の仕組みと「700万円の例外」で解説している。

年収帯で比べる:公開求人を「下限」で数え直す

各社の求人検索には「年収800万円以上」のような絞り込みがある。ただし、この絞り込みの判定基準がサービスによって違う。集計中に確かめた挙動は次の通りだ。

上限でヒットする方式だと、「400〜1,000万円」のような幅の広い求人も「1,000万円以上」に数えられる。そのまま比べると、JACの年収帯が実態より高く見える。そこで、JACはIT(PM・SE)の求人一覧から22ページ・1,095件を等間隔に抜き出し、下限の金額で数え直した。

公開求人のうち年収の下限が700万円・800万円・1,000万円以上の割合。JAC 45.7%・36.8%・10.0%、TechGo 25.9%・14.9%・3.3%、type 13.1%・6.7%・1.4%
2026年10月14日に各社サイトで集計。JACは抽出した1,095件の下限額、TechGoとtypeは下限で絞った検索結果の件数
サービス(対象)公開求人下限600万↑下限700万↑下限800万↑下限1,000万↑
JAC(IT(PM・SE)・抽出1,095件)12,768件63.8%45.7%36.8%10.0%
TechGo(全公開求人)6,390件43.2%25.9%
1,652件
14.9%
952件
3.3%
210件
type(ITエンジニア・SE)5,163件30.9%13.1%
675件
6.7%
344件
1.4%
72件

参考:JACのサイトの絞り込み結果(上限でヒット)は、700万円以上12,228件(95.8%)、800万円以上11,407件(89.3%)、1,000万円以上8,561件(67.1%)。抽出した1,095件の下限の中央値は650万円、上限の中央値は1,100万円だった。

読み取れること

年収帯の厚みはJACが抜けている。IT(PM・SE)求人の約半数は、下限の時点で700万円を超えている。TechGoは下限700万円以上が約4分の1で、件数にすると1,652件。800万円以上でも952件ある。typeは600万円台までの求人が中心で、800万円以上は344件と少ない。

ただし、件数の多さだけで決めるのは早い。公開求人は全体の一部にすぎない(typeのITエンジニア・SEでは、公開5,163件に対して非公開が13,462件と表示される)。非公開求人の年収分布は外からは見えないので、面談で「自分の職種で、下限700万円以上の非公開求人が何件あるか」を聞くのが確実だ。

求人票の上限は「提示額」ではない

「800〜1,800万円」のようなレンジの上限は、ほとんどの人には提示されない。オファー額は、現年収と面接評価をもとに下限寄りから決まることが多い。目標が700万円なら、下限が700万円以上の求人を中心に見たほうが外れが少ない。年収の決まり方はエージェントに年収交渉を任せる前に渡すべき材料でも扱っている。

得意職種と地域で比べる

年収帯が同じでも、自分の職種の求人がなければ意味がない。公開求人の内訳と、厚労省サイトに載っている「手数料実績のある職種」を手がかりに、各社の得意な職種を整理した。

IT特化型エージェント

TechGo(運営:MyVision)

公開求人6,390件の職種別の件数は、インフラ1,724件、PM 1,116件、業務系SE 684件、AIエンジニア506件、社内SE 161件。条件別では自社プロダクト開発625件、メガベンチャー273件、生成AI・LLMプロダクト開発268件、外資系126件。インフラとPMの求人が厚い。勤務地は東京都が4,410件(69%)で、大阪701件・神奈川552件・愛知423件・福岡283件と続く。公式では、2026年3月に内定を承諾して年収が上がった人の平均アップ額を144万円、年収アップ成功率を86%としている(いずれも自社集計)。評判の詳細はTechGoの評判の検証記事にまとめた。

ハイクラス型エージェント

JACリクルートメント

職種別の公開求人は、IT(PM・SE)が12,768件、WEB・アプリ・ゲームが1,295件。PM・SE・社内IT・ITコンサル寄りで、Web系の開発職は少ない。厚労省サイトで手数料実績が掲載されている職種も、IT系は「情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)」だけで、ソフトウェア開発は入っていない。取扱地域は国内に加えて、アジア・英国・ドイツ・米国など海外にも広い。外資・グローバル企業を視野に入れるなら第一候補になる。

IT特化型エージェント

レバテックキャリア(運営:レバテック)

公式サイトは自動取得を拒否する設定のため、公開求人は数えられなかった。厚労省サイトでは、手数料実績のある職種の1位と2位が「ソフトウェア開発」と「ソフトウェア開発を除く情報処理」で、開発職の紹介が中心であることが分かる。令和7年度の就職者は7,963人で、IT特化型では規模が大きい。

総合型エージェント

type転職エージェント(運営:キャリアデザインセンター)

ITエンジニア・SEの公開求人のうち79%(4,104件)が東京都を含む。事業エリアは首都圏と関西圏に限られている。年収は600万円台までの求人が厚く、800万円以上を狙う段階では主力にしにくい。詳細はtype転職エージェントの開示データ検証を参照。

各社の件数は2026年10月14日時点の公開求人。1件の求人が複数の職種・条件に重なって数えられることがある。

厚労省の紹介実績で比べる:規模・定着・手数料

有料職業紹介事業者は、職業安定法32条の16第3項に基づき、年度ごとの就職者数、無期雇用で就職した人のうち6か月以内に辞めた人数、職種別の手数料実績を、厚労省の「人材サービス総合サイト」で公開する義務がある。許可番号で検索すれば、上場していない会社の分も見られる。

厚労省の人材サービス総合サイトに掲載された各社の就職者数(令和5〜7年度)、令和6年度の6か月以内離職率、令和7年度の手数料実績率の一覧表
人材サービス総合サイト(令和8年10月1日現在の掲載)から作成。会社全体の値で、IT職種だけの値ではない
運営会社(許可番号)就職者 R5R6R7R6 無期のうち6か月以内離職
JACリクルートメント(13-ユ-010227)10,86812,32313,694441/11,732人(3.8%)
レバテック(13-ユ-308734)6,5836,3397,963126/6,270人(2.0%)
キャリアデザインセンター(13-ユ-040429)2,9042,4102,57994/2,150人(4.4%)
MyVision(13-ユ-314719)2448971,93122/897人(2.5%)
ビズリーチ 人材紹介センター(13-ユ-302647)45741900/74人(0%)
パーソルキャリア(13-ユ-304785)56,43460,74760,3073,188/58,056人(5.5%)

R5=令和5年度(2023年4月〜2024年3月)。就職者は4か月以上の有期雇用と無期雇用の合計。離職率は令和7年度の数値がまだ確定していない会社が多いため、令和6年度で比べた。

読むときの注意点

手数料率から読める「企業側の事情」

同じ表に、職種別の手数料実績率(企業がエージェントに払った手数料の、採用者の年収に対する割合)も載っている。ソフトウェア開発職の値は次の通りだ。

運営会社ソフトウェア開発ソフトウェア開発を除く情報処理
レバテック55.0%50.0%
MyVision(TechGo)52.7%(掲載なし)
JACリクルートメント(掲載なし)39.3%
ビズリーチ(人材紹介センター)34.3%32.2%
パーソルキャリア33.1%(掲載なし)
キャリアデザインセンター(type)32.6%34.6%

年収800万円の採用で計算すると、手数料が33%なら264万円、55%なら440万円になる。レバテックが届け出ている手数料表では、標準は年間賃金の45%で、役員・管理職などは特別な合意で上限を年収の100%か1,000万円まで引き上げられる。実績率が標準を上回っているのは、こうした個別の合意が含まれているためと考えられるが、算定の内訳は公開されていない。

求職者が手数料を払うわけではないが、知っておくと判断に役立つ点が二つある。

  1. 企業から見ると、同じ人でも経路によって採用コストが変わる。書類評価がボーダーの場合、手数料のかからない直接応募やリファラルの候補者が優先されることはあり得る。第一志望の企業が自社の採用ページで同じ職種を募集しているなら、経路を選ぶ価値はある。
  2. 手数料は年収に連動するため、エージェントにも年収を上げる動機がある。年収交渉を任せやすい構造ではある。一方で、内定を早く決めたい動機も同時に働く。この点は転職エージェントは「やめとけ」?を厚労省データで検証した記事で詳しく扱った。

スカウト型(ビズリーチ・doda X・リクルートダイレクトスカウト)の位置づけ

ハイクラス向けのランキングで上位に並ぶのは、エージェントよりスカウト型のサービスであることが多い。ただし仕組みが違う。

スカウト型の強みは、自分の経歴に対して、どの年収帯・職種から声がかかるかを確かめられることだ。弱みは、担当がヘッドハンターごとに変わり、得意分野も支援の質もばらつくこと。スカウトの文面に具体的な求人名と年収レンジが書かれているか、自分の技術スタックに触れているかで、相手を絞り込みたい。スカウトだけで自分の相場を確かめたい場合は、エンジニアの市場価値診断サービスの比較も参考になる。

年収帯別の組み合わせ方

ここまでのデータを、いまの年収と狙う年収帯ごとの組み合わせに整理する。登録はエージェント1〜2社とスカウト型1つを基本にし、同じ求人に複数の経路から応募しないよう管理する。何社に登録するかの考え方はエンジニア転職エージェントの複数登録で解説した。

いまの年収と狙う年収帯ごとの組み合わせ例。現年収500〜600万円台はIT特化型1社と総合型のIT部門、700〜900万円はJACとIT特化型とスカウト型、PM・EM・ITコンサル・外資は職種の得意領域で選ぶ
組み合わせは一例。最終的には自分の職種の求人が何件あるかで決める

現年収500〜600万円台で、700万円台を狙う

下限700万円以上の求人を件数として確保できるかが勝負になる。TechGoは下限700万円以上の公開求人が1,652件あり、インフラやPMの経験者なら選択肢が多い。開発職ならレバテックキャリアも候補に入る。総合型を1社加えると、職種の幅を確保できる。スカウト型は、どの年収帯から声がかかるかを確かめる用途で使う。

現年収700〜900万円で、800万〜1,000万円を狙う

下限800万円以上の求人がIT(PM・SE)で約37%あるJACが軸になる。ここにIT特化型を1社加えて、技術寄りのポジションを補う。この年収帯からはスカウト型の比重も上がる。ビズリーチなら、ヘッドハンターを過去の決定実績で選ぶ使い方が向いている。

PM・EM・ITコンサル・外資を狙う

求人の量より、担当者がその職種の決定実績を持っているかが効く。JACのIT求人はPM・SE職が中心で、国外を含む取扱地域も広い。ITコンサルを狙うなら、コンサル転職を主力にしている会社(MyVisionなど)が候補になる。マネジメントに進むか技術を極めるかで迷っているなら、先にスペシャリストとマネジメントの判定軸を確認しておくと、求人の絞り込みがぶれにくい。

年収700万円以上の求人が自分の職種で何件あるか、面談で確かめる

非公開求人の年収分布は、面談でしか分からない。下限の金額と職種の内訳を具体的に聞くところから始めたい。

ITエンジニア向けハイクラス求人の無料面談を予約する

初回面談で確認する6項目

ハイクラス向けのエージェントでも、担当者によって提案の質は変わる。初回面談では次の6点を聞き、答えが具体的かどうかで続けるかを判断したい。

面談で聞かれることへの準備はエンジニア転職エージェントの初回面談で聞かれることにまとめた。

よくある質問

年収いくらからが「ハイクラス転職」ですか?
統一された定義はありません。比較メディアの多くは年収800万円以上としていますが、doda Xは「年収600万〜2,000万円台」の求人を前面に出しています。ビズリーチは「年収1,000万円以上の求人が5割以上」と公表しています。現年収が500〜600万円台なら、まず下限700万円以上の求人の件数を確かめるのが現実的です。
JACリクルートメントはエンジニアにも向いていますか?
PM・SE・社内IT・ITコンサルなどの職種には向いています。2026年10月14日時点で、IT(PM・SE)の公開求人は12,768件あり、抽出した1,095件では下限700万円以上が45.7%でした。一方、WEB・アプリ・ゲームの公開求人は1,295件と少なく、Web系の開発職が中心の人はIT特化型を併用したほうが選択肢を確保しやすくなります。
ハイクラス転職は難しいですか?
求人の年収レンジが高いほど、必須要件(マネジメント経験、特定の技術領域での実績、英語など)が明確になり、書類で絞られやすくなります。ただし、求人票の上限額で判断すると難易度を見誤ります。下限が自分の目標年収を超える求人に絞り、その必須要件を満たしているかで応募先を選ぶと、通過率の見通しが立てやすくなります。
30代のエンジニアはどのエージェントから使えばいいですか?
年齢より、いまの年収と職種で決めるのがおすすめです。現年収が600万円台までならIT特化型、700万円を超えているならJACとスカウト型の比重を上げる、という組み合わせが基本になります。年代ごとの登録者層の違いはエンジニア転職エージェントの年代別おすすめで解説しています。
エージェントの「年収アップ率」はどこまで信用できますか?
自社集計で、対象期間と母数の定義が各社で違うため、横並びの比較には使えません。たとえばTechGoの「平均144万円アップ」は、2026年3月に内定を承諾して年収が上がった人だけの平均です。比べるなら、厚労省サイトの就職者数や6か月以内の離職者数のように、法律で定義がそろっている数値のほうが向いています。

まとめ

ハイクラス向けの転職エージェントを選ぶときは、次の4点を確かめる。

  1. 年収フィルタが下限で絞るのか、上限でヒットするのか。比べるときは下限でそろえる。
  2. 自分の職種の求人が厚いか(JACはPM・SE、TechGoはインフラ・PM、レバテックは開発職が中心)。
  3. 厚労省サイトの就職者数・6か月以内離職率・手数料率。会社全体の値だという前提で読む。
  4. スカウト型は、サービスではなくヘッドハンター個人を選ぶ。

そのうえで、エージェント1〜2社とスカウト型1つを組み合わせ、初回面談で「下限700万円以上の求人が何件あるか」を聞く。求人を見る前に転職すべきか迷っている段階なら、エンジニアの年収が上がらない原因を4つの層で切り分ける記事から読むと判断しやすい。

参考・出典

福朗
福朗

フリーランスAIエンジニア。AIパイプライン開発と技術キャリアについて発信しています。

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